ナラ無垢の床、タモ集成材を用いた造作収納と建具、腰板。ご夫妻のリクエストで、木と造作収納をふんだんに配した1階のLDK。
新築にあわせて旭川家具で揃えたウォールナットのダイニングテーブル、センターテーブルが、木質感際立つ空間のアクセントに

ダイニングに隣接して、4.5畳の和室を設けた。琉球畳を採用したシンプルな和室は、仏間として、和の風情を楽しむ空間としてどうしても欲しいスペースだったそう。「50代後半になり、大きな買い物はこの家が最後。これからは、少しずつ夫婦で旅やショッピングを楽しみながら、季節の小物や家具をゆっくりと揃えていきたいと思います」(奥さん)

L字に広がるリビング・ダイニングを見渡せる対面式キッチンも、タモの面材やタイルを採用した造作。奥さんが長年集めてきた器のコレクションをすっきり収められる食器棚をシンク背面とリビング側に設置し、食品庫を完備。動線を考えた大容量の収納が、集いの間の核となるキッチンをいつでもすっきりと美しく見せてくれる

リビングと直接つながっている主寝室。ドレッサーは、腰壁と同じタモ集成材で造作。玄関ホールからLDK、主寝室、水まわりが効率の良い回遊動線で結ばれているので、将来的には平屋感覚で日常生活を送ることができる 

キッチンと同じ素材を用いて造作した洗面台。壁付け照明も、ダイニングと同じステンドグラス。床も洗面からキッチン、ダイニングまで、テラコッタ風の陶器タイルを採用した。素材を揃えることで、空間全体に統一感が生まれ、さらなる広がりを生み出す効果もある。引き戸の奥は洗濯室を兼ねたユーティリティとバスルーム

2階に設けた洋室には、奥さんの陶芸の作品、長年のやきものコレクションを季節ごとに飾り替えて楽しめる壁付けの棚を設けた。自慢のコレクションをたっぷりとしまっておけるクローゼットも、奥さんのお気に入り

玉砂利を入れたモルタル洗い出しのたたきと木の質感が際立つ玄関ホール。正面の引き戸はリビングにつながる。左手に進むとトイレとユーティリティ。2階へと続く階段は、Nさんのたっての希望で、一般的な階段よりも幅を広く採り、段差を緩やかにした

三角屋根の南面いっぱいに載せた太陽光発電パネルが目を引く外観。大きな屋根の下には、通常よりも200㎜厚い、600㎜の断熱材を入れ、屋根からの熱の放出をしっかりと防いでいる。さらに庇を深くすることで夏の陽射しを室内に入れない。こうした工夫も住まいの燃費の良さの秘密

光熱費、年間0円を目指した

超省エネ! 住み替えの家

結婚を機に新築した住まいで3人の子どもを育て上げ、気づけば27年。第2の人生が視野に入ってきた2年前、Nさんご夫妻は「夫婦の暮らしをより楽しめ、成長した子どもたち家族が一堂に集える家を構えたい」と考えました。そこで、町内に新たに約120坪の土地を購入し、住み替えを決断。高断熱・高気密の家づくりで定評のあった岡本建設に新築を依頼しました。

「光熱費は第2のローン。燃費の良さが、暮らしの良さを決めるという言葉が衝撃的でした。また、一戸ごとに個性のある岡本さんの家を見て、好みに合う住まいを実現できるとも思いました」。太陽光発電パネルの設置を希望していたNさんは、7.4kWの大型パネルを採用。冬の暖房をまかなっても余りある発電量を確保し、灯油換算で年間0円を目指す驚異的な光熱費が期待できる超省エネ住宅を実現しました。

「この7月にできたばかりですが、家全体がクーラーいらずの涼しさで快適です。初めて迎える冬は、どれほど暖かいのでしょう。内装には希望どおり木をふんだんに使ってもらい、理想の暮らしの器ができました。この住まいなら、家族の時間を存分に楽しめますね」と、奥さんは嬉しそうに話してくれました。

DATA

士幌町・Nさん宅/夫婦50代
■建築データ
構造規模 木造(枠組壁工法)・2階建て
延床面積 190.45㎡(約57坪)
<主な外部仕上げ> 屋根/アスファルトシングル葺、外壁/窯業系サイディング・モルタル・塗壁、建具/玄関ドア:ガデリウス 断熱ドア(スウェーデンドア)、窓:エクセルシャノン 樹脂サッシ(トリプルシャノンⅡ)
<主な内部仕上げ> 床/ナラフローリング、壁・天井/塗壁
<断熱仕様> 基礎/SF(B2)25㎜、床下/高性能グラスウール16kg200㎜、壁/高性能グラスウール16kg140㎜+アキレス ニューハウスボード50㎜、天井/ブローイング18kg600㎜
<暖房方式> ヒートポンプ式エアコン暖房システム+電気パネルヒーター
<換気方式> 第1種換気

■工事期間
平成25年12月~平成26年7月(約7ヵ月)
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