建材のトップランナー制度について

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政府は3月13日、「エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)の一部を改正する法律案」を閣議決定し、国会に提出した。同改正案には、断熱材や窓、水まわり設備など建材の高性能化を図るため、「トップランナー制度」(※参照)の対象に追加することが含まれている。

 同制度は、これまでエネルギーを利用する機器が対象だったが、家庭・民生部門からのCO2排出をおさえるため、エネルギーを使わないように建材の断熱・省エネ性能を引き上げ、住宅・建築物の省エネ性能の底上げを図るのが目的。

 国は住宅・建築物の省エネルギー基準への適合を2020年までに段階的に進めていくための検討を行っているが、戸建て住宅の7割を供給する地域の中小工務店への配慮などのため、なかなか進んでいないのが現状だ。こうしたことから、住宅や建築物に使う建材の性能を高めることで、実質的に底上げしていく考えだ。

 メーカーや輸入業者にとっては、達成率のラベリング制度を行うことで、高性能な建材開発のインセンティブにもなる。

 省エネ住宅の推進が進まない理由の一つに、高性能化に伴うコスト増が指摘される。特に購買力の小さな小規模工務店は、部材のコストアップを吸収しきれず、顧客への引き渡し価格へ転嫁するなどして、競争力が低下することが懸念されていた。このため、基準達成の目標年度を3~10年(製品によって異なる)と長めに設定することで、メーカーなどの開発を緩やかにし、施工業者も取り組みやすくするほか、基準の設定にあたっては、施工の現場や工務店の実態を反映させていくとしている。

 また、技術開発のための投資余力が小さな中小のメーカー・輸入業者などは規制の対象から外すなどの措置を盛り込む。特に自然系断熱材ではこうした中小のメーカー、輸入業者の割合が高いが、制度導入により直接的な価格上昇は回避できそうだ。規制からは外れるが、ラベリング制度の利用は可能で、この制度をうまく使うことで市場での認知を高めることもできる。

 今回の法改正にあわせて、2020年までの義務化に向けた具体的な工程を示す方向で検討している。

※トップランナー制度

 トップランナー制度とは、製品の性能向上のため、その製造・輸入事業者に対して、一定期間先の目標年度を定め、目標設定時で最も高い基準(トップランナー基準)を満たすことを求めるもの。目標年度になると達成状況を国が確認する。 報告の際、性能向上が相当必要な場合は、勧告、公表、命令の処分が下される。命令に違反した場合は罰金となる。メーカーや輸入業者にとっては性能向上が義務化されることになる。

 これまでは自動車やエアコン、テレビなど23機器が対象。ただし、規制は一定規模以上の事業者に限られる。例えばエアコンは年間500台以上、など。

 性能は一定の形式で表示しなければならない。ただし、達成率が高いものは購入者へのアピールにも使える。

 現在、対象として追加が想定されているのは、断熱材(断熱塗料含む)、窓(サッシ、ガラス)、浴槽、便器など。

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